「簡単に取れる」日本のビザ、中間層の中国人から相談殺到…「社長」移住続々

ざっくり解説

  • 日本での「経営・管理ビザ」を狙った中国人移住希望者が急増中
  • 実態のない事業でビザを取得する“ブローカー”の存在が問題に
  • 入管審査の甘さを突くケースが続出し、制度の見直しが求められている

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増加する「名ばかり経営者」と制度の隙

日本の在留資格の一つである「経営・管理ビザ」は、本来、外国人が日本で事業を行うために設けられた制度であり、資本金500万円以上と事務所の設置が求められています。

しかし近年、この制度を“移住の手段”として利用するケースが増えており、特に中国のSNSでは「簡単に取れる」「移住マニュアル」などの情報が出回っています。

こうした状況は、「ペーパー会社」の設立によって表面上は基準を満たし、実際には事業実態のないまま入国するというケースを生んでいます。

中にはSNSで報酬付きで移住を支援する“移民ブローカー”が暗躍しており、行政書士資格のない人物が不正に手続きを代行する例も指摘されています。

移住者の中には本気で日本でビジネスを立ち上げようとする人もいる一方で、形式的な申請によってビザを取得する動きが制度全体の信頼性を損なう原因となっています。

制度の柔軟性と審査体制の見直しが課題に

2015年の入管法改正によって、経営・管理ビザの要件が一部緩和され、準備のための在留期間が新設されたことで、申請のハードルは大きく下がりました。

この改正は真に日本で起業を希望する外国人にとっては大きな後押しとなった反面、制度の隙を突く動きも加速させました。

現状では、審査の多くが書類に基づいて行われており、現地調査が実施されるケースは極めて限られています。

審査を担当する出入国在留管理局の人員不足も背景にあり、制度を守る体制が追いついていないのが実情です。

中間層の中国人の間で新たな「定住プロセス」が始まっている中、日本の地域社会や行政がどう対応していくかが問われています。

健全な外国人受け入れのためには、制度の趣旨を守りながらも、透明性と公平性を確保するための審査基準の見直しや監視体制の強化が急務です。

移住を希望する人々の思いと制度の信頼性を両立させるためには、法と倫理のバランスに基づいた冷静な対処が求められています。

(文・構成=シェアニュースジャパン編集部)


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