Netflix『新聞記者』は事実のどこを『改ざん』してしまったか…  →  “とにかく事実と違いすぎてめちゃくちゃ”

Netflix「新聞記者」は事実のどこを「改ざん」してしまったか

記事によると…

・今月配信が始まったNetflix「新聞記者」を、筆者は期待と不安を持って視聴した。感想は「とんでもないドラマ」というものだった。

・事実をもとにしているのに事実とかけ離れすぎ

文春記事によると、プロデューサーの河村氏はこのドラマを何度も「フィクションですから」と遺族に説明している。フィクションだから事実と違っていいと言いたいのだろう。

だが第1話の最初の方で、テレビの国会中継で時の総理大臣のこんな答弁が聞こえてくる。「私が関与したという事実は一切ございません。私や妻が関係していたとなれば、それはもう私は、それは間違いなく、総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい」安倍元首相独特の無駄に言葉の多い話し方を真似て、誰もが知るあの答弁を言わせているのだ。

栄進学園と名を変えているが、誰がどう見ても森友学園事件をもとにしたドラマだと、この場面ではっきりわかる。フィクションには違いないが、「森友事件をもとにしたフィクション」なのだ。

そうであるからこそ、大筋の事実には忠実であるべきだ。ところが、森友事件にとって重要な以下の点が変更されている。

ドラマ:総理夫人秘書が値下げ価格(12億円)を記した書面を財務省理財局長に渡し「総理の指示です」と告げる
→事実:土地の値下げ(8億円)について安倍元総理の直接的な指示は確認されていない

ドラマ:理財局長が中部財務局にやって来て書類の改ざんを命じる。命じられた中にのちに自殺する鈴木氏もいる
→事実:自殺した赤木俊夫氏の手記には、「現場の私たちが直接佐川局長の声を聞くことはできません」とあり佐川氏の指示を受けた幹部が修正箇所を決めたとある。赤木氏が佐川氏と直接会った形跡はない

ドラマ:自殺した鈴木氏の遺書を遺族が新聞記者・松田に渡すが、新聞社では「上からストップが」と記事にできない
→事実:自殺した赤木氏の手記が遺族からフリー記者・相澤冬樹氏に託され、文春でスクープ記事となりその号が完売になる

ドラマ:遺族はテレビ局の取材を受ける決心をするが、どの局も上からの圧力で取材しない
→事実:TBS「報道特集」や関西局などが遺族を顔が写らない形で次々に取材して肉声が電波に乗った

ドラマ:遺族が記者とともに元理財局長宅を訪ねると偶然本人と話ができ、彼は国会で証言した通りと言いつつも謝罪する
→事実:遺族は相澤記者とともに佐川氏宅まで行ったが呼び鈴は押さず会ってはいない

ドラマ:官僚の中で二人が真実を話す気配が描かれ遺族が起こした裁判が始まる
→事実:官僚の中で口を開く人は一人も出てこないまま裁判が進む。二つの裁判のうち一つは突然の認諾で終わる

事件の展開上、重要と思える箇所を取り上げてできるだけ整理して書いたつもりだが、細かすぎてわかりにくいかもしれない。

何よりまず最初の「総理の値下げ指示」の部分だが、これを描いていいならなんでもアリだ。フィクションだから事実を改変してもいいと言いたいのだろうが、改変としてあまりにも幼稚だと思う。(そして値下げ価格を増やした意味は何だろう?)

官僚が事実を話すことも含めて、そんなに単純な事件ではない。あまりにもお気楽だ。

テレビや新聞が官邸の圧力で封じられるのもおかしすぎる。そもそも朝日新聞が森友事件をスクープし、テレビは連日安倍昭恵氏の滑稽な学園訪問映像を流したわけで、当初から官邸に抑える力はなかった。マスコミが官邸に支配されているという、陰謀論めいた思い込みに製作陣は侵されているようだ。

とにかく、事実と違いすぎて「めちゃくちゃ」なのだ。事実の重みを軽んじている。ひょっとしたら事件の関連記事や遺族の書籍も読んでいないのかとさえ思えてしまう。

1/29(土) 11:23
https://news.yahoo.co.jp/byline/sakaiosamu/20220129-00279480

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Netflix


Netflix, Inc.は、カリフォルニア州ロスガトスに本社を置く、アメリカのオーバー・ザ・トップ・コンテンツ・プラットフォームおよび制作会社である。1997年にリード・ヘイスティングスとマーク・ランドルフによって、カリフォルニア州スコッツバレーで設立された。
出典:Wikipedia

ネット上のコメント

もうガタガタ。配信開始当時は意気軒昂に「これこそが真実だ」「これで安倍(氏)の逮捕が早まった」だの騒いでた人達はすっかり息をひそめたね。

映画やドラマはフィクションであって事実ではないですから。この「新聞記者」という作品も望月衣塑子氏の妄想というか想像を元に作られたのですからね。

都合が悪いところが数多くあるので、借りパクり→紛失と称して廃棄、とするつもりではあるまいな。( ゚ω゚)

東京新聞さん コメントをどうぞよろしく

このグダグダなでメチャクチャな話のドラマ化早よ。

続編映画「改ざん記者」の制作オファーをお願いします

この顛末をドキュメンタリーにした方が、よっぽど面白いんじゃないだろうか?

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