特殊詐欺の背後に潜む『中国政府』の影

ミャンマーなどの詐欺拠点で日本人が監禁されていた事件の背景には、中国政府が主導した「一帯一路」政策の影響が深く関係していると報じられています。

ざっくりPOINT
  • 1月、日本人高校生がミャンマーで詐欺に加担させられた後にタイで保護
  • 2月、ミャンマー・カイン州で詐欺拠点が摘発され、約7000人の外国人が保護
  • 9月、中国の裁判所が詐欺組織「明」ファミリーの首謀者に死刑を含む判決を下す

報道の詳細

深 掘 り

「一帯一路」が生んだ犯罪温床 ミャンマーとカンボジアに広がる詐欺ネットワーク

週刊新潮が報じたところによると、ミャンマーで日本人が特殊詐欺に加担させられていた事件の背後には、中国政府が推進してきた「一帯一路」政策の構造的な問題が存在していました。ミャンマーやカンボジアなどの地域では、中国資本がインフラ開発や観光施設に投資し、経済協力区として整備されてきましたが、新型コロナウイルスの影響で中国人観光客が激減し、企業も撤退しました。その結果、経済の空白地帯には中国系マフィアが入り込み、カジノやホテルを拠点とする詐欺拠点が形成されたと伝えています。

同誌によれば、経済開発の恩恵を受けていたはずの地域が、治安や法整備の未整備といった弱点を突かれ、犯罪ネットワークの温床に変貌。日本人を含む若者がSNSや求人サイトを通じて詐欺に勧誘され、現地で監禁・暴行を受けながら「かけ子」として利用されていた実態が明らかになりました。報道では、詐欺組織の一部が中国政府の支援を受けた少数民族武装勢力とも関係していたとされ、「一帯一路」政策による地政学的な影響の大きさが指摘されています。

今回の摘発では、中国国内でも多数の関係者が厳罰に処されており、国家ぐるみでの対応が進んでいますが、一方で自国主導の経済政策が国際犯罪の土壌となっていた点で、国際社会からの批判も避けられません。ミャンマーやカンボジアといった東南アジア諸国で、日本人が被害者にも加害者にもなってしまう現状に対し、今後は政府間の協力や抑止策の強化が急務といえます。

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