元朝日新聞社員「原爆ドームや慰霊碑を前にした記者会見では会見終了時に声を上げるべきではない、という趣旨のテレ東官邸キャップのツイートに違和感を覚えた…(以下1643文字)」

尾形聡彦さんのツイート

原爆ドームや慰霊碑を前にした記者会見では会見終了時に声を上げるべきではない、という趣旨のテレ東官邸キャップのツイートに違和感を覚えました。

私は、1945年の原爆で年末までに亡くなった約14万人の無辜の方々のためにも、核廃絶のシンボルである広島で、核大国による核兵器正当化の論理をそのままの文言で盛り込んだ「核軍縮ビジョン」の問題性を岸田首相に問うことこそが記者の責務であり、被爆者や犠牲になった方々の思いに応えることになると考えました。「首相は核廃絶に本気なのか? もしそうなら、この広島でなぜ核兵器容認のビジョンを採択したのか? 広島で核兵器を認めるビジョンを出したのは大きな間違いなのではないか?」と問いたいと思い、声を上げました。会見中は手を挙げ続け、会見終了時に質問させてもらえるよう7度呼びかけ、最後に「逃げるんですか」と問いました。
https://youtu.be/ASpTGROsZZY

会見の場所によって態度を変えるべきだという趣旨にも全く賛同できません。岸田首相は今回、原爆ドームと慰霊碑前という、異例の場所で会見を行いました。私も取材した2016年5月のオバマ米大統領の訪問の際、オバマ氏と安倍氏は、慰霊碑の前で式典を行い、それぞれ演説しただけで、記者会見は行いませんでした。本来、慰霊碑前が会見には適さない場所であるのは、毎年の8月6日の広島での首相会見の場が、平和記念公園での式典のあとに、広島市内のホテルに場所を移して行われることからも明らかです。

今回、その慰霊碑前で岸田首相が会見したのは、平和記念公園を政治的に利用したことにほかならず、官邸記者たちはまず、そのことを批判し、解説すべきだと思います。

首脳や大臣らの政治家が、政治的な計算やイメージ戦略で記者会見の場所を選ぶのは、よくあることです。その戦略を冷静に見極め、どの場所にあっても、読者や視聴者のために聞くべきことを聞くことが、記者の役割であり、倫理だと私は考えています。

今回、その慰霊碑前の会見で、官邸クラブの時事通信記者が聞いたのは、「今回のサミットが、ゼレンスキー大統領とグローバル・サウスの連帯のきっかけになったか」「衆院解散するのか」でした。官邸クラブ内で事前に共有されたであろう、この質問内容の質に、私は正直、唖然としました。歴史的なサミットの、官邸クラブによる最初の質問が、これなのでしょうか。「解散の有無」は、官邸クラブの記者がいつでもどこでも聞いている政局の質問です。これを、慰霊碑前でも聞くことが、粛然とした態度なのでしょうか。それを官邸クラブ内では、事前や事後に、記者は誰も問題にしなかったのでしょうか。

唯々諾々ではなく、聞くべきことを聞かれている、というのは良いことだと思います。ただ、首相や官邸側と記者クラブが実質的に示し合わせ、実は事前に記者側が質問内容を伝えて首相も準備した回答を読み上げているだけの会見を、さもその場でやっているかのように、挙手し、たまたま当たったかのように装う「歌舞伎会見」「やらせ会見」を官邸クラブが続けていることに問題は感じないのでしょうか。G7諸国で最低の首脳会見であり、官邸記者たちの責任は重大だと思います。

官邸ロビーでは大声で首相に呼びかけるのに、記者会見では押し黙り、更問いをしない態度の違いも理解できません。官邸に与えられたルールの中で「頑張る」のではなく、そもそもそのルールのおかしさを改善し、せめて、世界でふつうに行われている首脳会見と同様にしていくことが、官邸クラブ記者たちの最低限の責任です。そして何より、官邸記者クラブは会見での不透明で不当な独占を直ちにやめ、首相会見や官邸へのアクセスは多くの記者に開放されるべきです。

岸田首相の会見後、私はお土産を買う余裕はありませんでしたが、翌日に原爆ドームは訪れることができ、原爆で犠牲になった方々や被爆者の方々の無念に改めて思いを馳せました。記者として、首相でも大統領でも同じように、聞かなければならない質問を問い続ける責任を、改めて感じました。

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尾形聡彦


1969年生まれ。朝日新聞オピニオン編集部次長兼機動特派員。慶応大学卒。1993年、朝日新聞入社。米スタンフォード大客員研究員を経て、2002年から米サンノゼ特派員としてグーグルやマイクロソフトなど米IT企業を取材。08年にロンドン特派員、09年から12年までは米ワシントン特派員としてホワイトハウスを取材。15年から機動特派員としてホワイトハウス取材を再開。日本の財務省・政策キャップ、経済部デスク、国際報道部デスクも務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『乱流のホワイトハウストランプ vs. オバマ』より
出典:https://www.hmv.co.jp/

ネット上のコメント

ゴチャゴチャ長い上に読み辛い。

全面的に支持します。 日本国内の大メディアのやり方は政府広報だと常々感じています。

能力のない人ほど無駄に話が長い

面白くないレシートツイート。 三浦よし先生を見習え

ここで一気に有名人になろうとしてるな…かわいそうだけど、多分もう旬は終わったよ…

文章が長いってだけで 色々混乱されてまとめられ無いんだろうという事と 読み手の事を考えず自分が主張したい しか考えて無いんだろうと読み取れます

この文章能力じゃarctimesも流行らんわなあ😵‍💫

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