自民党、夫婦別姓法案の提出見送りへ

自民党は今国会での選択的夫婦別姓制度に関する独自法案の提出を見送り、野党提出の法案にも反対する方針を固めたことが明らかになりました。

ざっくりPOINT
  • 自民党、夫婦別姓法案の提出を断念
  • 野党も協力不十分で法案成立見通せず
  • 選挙を意識した党内融和が優先される

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制度導入をめぐる政治的駆け引きと停滞

選択的夫婦別姓制度を巡る議論は長年続いていますが、今回も制度導入に向けた前進は見送られる見通しです。

制度に賛成する世論が過半数を占めているとの調査結果もある一方、自民党内では保守派が強く反対し、旧姓の通称使用拡大などでの「妥協」が模索されています。

しかし通称使用では法的な不便が解消されないとの批判も根強く、法制度の不備が女性のキャリア形成や国際的な信用問題に影響を及ぼしているとの指摘もあります。

また、先進国の中で夫婦同姓を義務付けている国は日本だけであり、国際的な人権意識からも遅れが指摘されます。

こうした中での自民党の法案見送りは、参院選を控えた党内融和のための政治的判断に過ぎず、制度の必要性そのものに真正面から向き合う姿勢が欠けているとの批判が高まっています。

分断回避を優先した政治判断の限界

自民党が法案提出を見送った背景には、参院選を控えた党内の分裂回避や支持基盤への配慮が見え隠れします。

選択的夫婦別姓制度に関しては、党内でも若手や女性議員を中心に賛成意見がある一方、保守派の反発が根強く、意見集約は困難なままです。

また、立憲民主党や国民民主党、日本維新の会といった野党も、それぞれ法案を準備しながらも足並みはそろっておらず、国会全体として制度導入に向けたまとまりを欠いています。

石破茂首相が「先延ばしは好ましくない」と述べてはいるものの、政府提出の法案は今国会では見送られる見通しであり、現実的には議論が停滞したままです。

社会の価値観が多様化する中、制度の在り方を国民全体でどう議論するかが問われており、単なる選挙対策ではない本質的な議論の場が求められます。

 

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