田原総一朗さん、年金受給額を公開

ジャーナリストの田原総一朗氏(91)がフジテレビ系「Live News イット!」のVTR出演で、月収100万円、年金受給額15万円と明かし、非正規雇用による年金格差の問題点を指摘しました。

ざっくりPOINT
  • 田原総一朗氏「年金15万円、月収100万円」
  • 在職老齢年金で支給額減、非正規雇用に警鐘
  • 「企業が構造を変えるべき」田原氏が年金改革を提言

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非正規雇用と年金格差の構造的連鎖

現在の日本の年金制度は、原則として現役時代の賃金と保険料納付期間に比例して受給額が決まる「所得比例型」です。

このため、長期間にわたって安定した収入と雇用形態を持っていた人と、短期間あるいは不安定な雇用で働いた人との間で、老後の生活水準に大きな差が生まれます。

とくに非正規雇用は、加入対象外だったり、加入しても納付額が低く抑えられるため、将来的な受給額も著しく低くなりやすい構造となっています。

厚生労働省の統計によれば、2023年時点で非正規雇用の労働者は全労働者の約4割を占め、その多くが年金制度において不利な立場に置かれています。

また、企業側が社会保険負担を避けるために非正規を選好するケースも根強く、結果として働く人が年金の受給要件すら満たせない事例もあります。

これらの問題に対し、制度の持続可能性だけでなく、公平性の観点からの見直しが求められており、近年は「基礎年金の全員加入義務化」や「保険料免除条件の緩和」などの提案も浮上しています。

しかし抜本的な改革は進まず、格差の是正には至っていません。

高齢社会の中で年金制度が果たすべき役割

日本の高齢化は世界最速で進行しており、年金制度の持続性は国家的課題の一つです。

その中で、制度の恩恵を公平に分配する仕組みの確保が急務となっています。

特に、「長生きリスク」に備える社会保障の機能は、今後ますます重要になります。

すでに労働市場では、70歳以上でも働き続ける人が増加しており、「働ける限り働くこと」が年金制度と共存する新たな生活モデルとなりつつあります。

こうした中、「在職老齢年金」制度の見直しも議論されています。

現在は60歳以上の働く年金受給者の収入が一定以上になると、年金が減額される制度ですが、これが高齢者の労働意欲を阻害しているとの指摘があり、政府も制度緩和の方向で検討を進めています。

年金制度は単なる「老後資金」ではなく、人生100年時代における社会の土台となる制度です。

雇用形態や所得格差が老後の生活に直結する現行の構造は、多くの国民にとって不安要素であり、今後の制度設計には、より柔軟で実態に即した対応が求められています。

(文・構成=シェアニュースジャパン編集部)

 

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