
元フジテレビアナウンサーの渡邊渚さんが2025年5月3日、自身のインスタグラムを更新し、現在も心的外傷後ストレス障害(PTSD)の影響で「結構ギリギリな状態」であることを明かしました。渡邊さんは、2023年7月に病気療養で休職し、翌年8月末にフジテレビを退社。2024年10月にはPTSDを患っていることを公表していました。
今回の投稿では、PTSDの治療法の一つ「持続エクスポージャー(PE)」のフォローアップにおいて、自身のストレスの数値を測定した結果、1年前に受けたトラウマによるストレスよりも、現在感じている二次被害のストレスの方が高いという結果が出たと報告しています。渡邊さんは「自分の弱さと脆さを認識しました」と述べ、心の痛みを無意識に抑えてきたことに気付かされたと綴りました。
現在は、悪夢や体の重さ、寝言、無意識の自傷などの症状が再発しており、2年間で何度も経験した症状ではあるものの、「今は結構ギリギリな状態」としています。一方で、「病気だからと人生や仕事の範囲を狭めたくない」との強い意志から、与えられたチャンスには挑戦する姿勢を貫いています。
また、毎日のように誹謗中傷や殺害予告を受けており、家族や仕事先にまで及んでいることを明かし、「お控えいただければ幸いです」と呼びかけています。
渡邊渚さんのインスタより
関連
反応
■深刻ですね…どうかご自身を少しでもいたわってあげてください。
■マイペースに今日も頑張っていきましょう😍
■生きたいように生きる。決めたナギちゃんを尊敬します。簡単ではないから✨
■ナギ〜✨辛いね😢
でも、前を向いて進んで行きましょう✨応援しています📣
■この頃毎日がしんどいですが、なぎささんの投稿を拝見して這い上がろうとしています😿誹謗中傷コメントや殺害予告は心によくないので、私もコメントは閉じられたほうが良いと思います。
■心身のためにも先ずはコメント欄を閉じたほうが良いと思います。
■とても良く分かるの、同じように深く傷付いた事かあるから…
深掘
PTSDと芸能人に対する誹謗中傷の現状
PTSDは、極度の精神的ストレスを経験した後に発症する疾患で、戦争や災害、暴力被害、職場でのパワハラなどが原因となることがあります。近年では、SNSを通じた誹謗中傷やバッシングも、PTSDやうつ病の発症に繋がる重大な社会問題として注目されています。
芸能人や公人のSNS投稿は不特定多数に晒されるため、その影響は一般人に比べて大きく、精神的な負担も計り知れません。過去には複数の芸能人が誹謗中傷を理由に精神的に追い詰められ、命を落とす事例も発生しています。こうした現状を受けて、政府やSNS事業者も誹謗中傷対策の強化に動いており、名誉毀損などに対する法的措置が取られるケースも増えています。
しかしながら、誹謗中傷の根絶には至っておらず、被害者が声を上げても再度攻撃の対象となることも少なくありません。渡邊さんのように、自身の病状と向き合いながらも活動を続ける人々に対し、社会全体で理解と支援の姿勢が求められます。
回復と尊重が共存する社会へ
渡邊渚さんの発信は、PTSDという目に見えにくい病に対する社会の認識を広げるとともに、当事者が日常を取り戻すための苦闘を伝えています。「病気でも挑戦を続けたい」という意志は、多くの共感を集める一方で、SNSでの誹謗中傷や無理解に晒される現実もまた顕在化しました。
今後、重要となるのは、精神疾患を抱える人への偏見をなくし、当事者が安心して社会参加できる環境の整備です。誹謗中傷に対する法的・制度的対応の強化も不可欠であり、ネット空間における「表現の自由」と「人権尊重」のバランスを見直す時期に来ているといえるでしょう。
SNSは本来、人と人をつなぐ手段です。その力を傷つけ合う道具にしないためにも、見る側・発信する側双方の意識とモラルの向上が求められます。渡邊さんのように、傷を抱えながらも一歩を踏み出す人々が生きやすい社会を目指すことが、今後の大きな課題となります。
(文・構成=シェアニュースジャパン編集部)
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