竹之内雄一郎社長「サイゼリヤは国内に1,000店舗あっても、年間の利益は10億円に届かない。私たちの韓国で展開している食パン専門店は、100店舗で同じ規模の利益だ…」

竹之内雄一郎社長は、自身が展開する食パン専門店とサイゼリヤを比較し、「サイゼリヤは国内に1,000店舗あっても、年間の利益は10億円に届かない」と投稿しました。

一方、韓国で展開中の食パン専門店は「100店舗で同じ規模の利益を出している」とし、「大事なのは、数でも規模でもなく、届ける価値の質。小さくても、深く届くビジネスはある」と述べました。

この発言に対し、「顧客満足度が高いサイゼリヤを下げてまで自社を上げる必要があるのか」との批判が殺到。

竹之内社長は後に「このツイートは国内事業単体での話」と補足し、「連結では81億円の純利益がある」「中国事業が収益の柱」と説明。

国内の利益率の低さを改めて強調しつつ、「ちょっとした弾みで赤字になる可能性もある」と続けました。

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外食チェーンの利益構造と「価値」の再定義

サイゼリヤのような低価格チェーンは「多売薄利」が基本です。薄利であるがゆえに利益率は低く、大量販売で収益を確保する構造です。

竹之内社長が指摘したのは、この構造が「脆弱性」を内包しているという点です。国内店舗1,000軒でも10億円に届かない利益というのは、異常ではなくこの業態の宿命とも言えます。

とはいえ、その分だけ価格の安さや手軽さが消費者にとっての最大のメリットとなっているため、社会的価値もまた大きいということになります。

サイゼリヤは創業者の正垣泰彦氏が「子どもでも行ける外食」を目指して始めた企業であり、利益最大化よりも社会貢献に比重を置く文化が根付いています。

このため、企業の収益性と社会的使命がトレードオフになる場面もあり、どちらを重視すべきかは評価が分かれます。

価値の物差しは「規模」か「利益」か

今回の竹之内社長のポストは、「ビジネスの本質とは何か」という問いを投げかけました。

自身の企業の収益力を示す一方で、サイゼリヤの収益構造を批判的に例示したことで、消費者からは「企業努力を軽視している」「庶民の味方に水を差すな」と反発を招きました。

利益を上げることは企業にとって不可欠ですが、それが「社会にとって良い価値」と同義ではない場合もあります。

サイゼリヤのように、安価で一定以上の品質を提供することで、多くの人に外食体験を届けることに重きを置く企業も存在します。

その姿勢は、たとえ利益率が低くても社会的意義を持つのです。

経済合理性と社会的価値の両立は難題ですが、それこそが現代の経営者に求められるバランス感覚なのかもしれません。

規模を競うのではなく、届ける価値の意味を問い直す時期にきているのではないでしょうか。

(文・構成=シェアニュースジャパン編集部)

 

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