長崎・対馬の盗難仏像、12日に帰還予定 韓国では反対署名活動も

長崎県対馬市の観音寺から2012年に盗まれ韓国に持ち込まれた仏像「観世音菩薩坐像」が、今月12日に対馬に返還される見通しとなっています。

ざっくりPOINT
  • 仏像12年半ぶりに対馬へ
  • 韓国で返還反対の署名活動
  • 文化財返還、信仰と外交が交錯

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文化財返還をめぐる国際問題と所有権の確定

文化財の返還問題は国際的にも頻発しており、植民地支配や戦争、盗難など様々な経緯によって国外に流出した文化財を巡り、所有権を争う事例が数多くあります。

今回の観世音菩薩坐像もそうした背景の一つといえます。

韓国国内ではこの仏像が元々浮石寺にあったものであるとする主張が根強く、所有権を巡る法廷闘争にまで発展しましたが、2023年に韓国最高裁が観音寺に所有権を認定したことで、返還がようやく現実味を帯びてきました。

しかし、法的判断とは別に、返還に対する韓国市民の反発や署名活動が続いていることは、文化財を巡るナショナリズムの根深さを物語っています。

また、現地での返還作業にも慎重な準備が進められており、警備や移送手続きの安全確保も求められています。

信仰と文化を結ぶ仏像の帰還、その意義と課題

観世音菩薩坐像の返還は、観音寺にとって信仰の対象が戻ってくるだけでなく、地域文化の象徴が復活するという大きな意義を持ちます。

12年半ぶりに戻る仏像を前に、地元住民や檀家が法要を行い、改めて歴史の重みを噛み締めることになるでしょう。

仏像は今後、対馬博物館に収蔵される予定で、観音寺には複製が展示されることになりますが、これは信仰と保存の両立を図るための現実的な選択といえます。

一方で、文化財の返還がもたらす法的・外交的な影響も見逃せません。

日韓間ではこれまでも文化財の返還を巡って複数の摩擦があり、今回の返還を機に、今後の文化財保護や返還手続きに関する国際的な枠組みの強化も求められるでしょう。

(文・構成=シェアニュースジャパン編集部)

 

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