万博会場内、全面禁煙を見直し 喫煙所設置へ

2025年大阪・関西万博の会場内において、これまでの全面禁煙方針を転換し、新たに西ゲート側に喫煙所を設置する方向で日本国際博覧会協会が調整を進めていることが明らかになりました。

ざっくりPOINT
  • 万博会場内に初の喫煙所設置へ調整中
  • 禁煙徹底に限界、違反防止と安全確保が背景
  • 非喫煙者との共存を目指す分煙対策に注目

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分煙と安全性、喫煙所設置に伴う課題と対応の現状

近年、公共空間での喫煙規制は世界的に強化されており、日本国内でも受動喫煙防止を目的とした健康増進法の改正や、各自治体の条例により屋外・公共施設での喫煙に厳しい制限が課されています。

大阪市でも全域で路上喫煙を禁止しており、今回の大阪・関西万博も当初は全面禁煙を打ち出していました。

しかし実際には、既存の喫煙所が東ゲート側に限られていたため、喫煙者にとってはアクセスが困難であり、会場内での違反喫煙が発生するなど、実効性に課題がありました。

特に西ゲートからの来場者が喫煙するには15分以上歩く必要があり、再入場の手続きにも影響が出ていました。

さらに、違反によって火の不始末が起きれば、地下にたまったメタンガスとの危険な相互作用も懸念され、安全上の問題に発展しかねない状況でした。

今回新たに設置が検討されている喫煙所は、こうした背景を踏まえた現実的な対応策として、安全性を確保しつつ非喫煙者との分煙を徹底する目的があります。

パーテーションで囲まれた屋外型とすることで、煙の拡散を抑えつつ、アクセスの利便性も改善される見込みです。

理想と現実のバランスが問われる「共生型イベント運営」

万博のような国際的なイベントでは、環境配慮や健康意識の高まりに対応する形で禁煙方針が打ち出されるのは当然の流れです。

しかし、現実には喫煙者も来場する以上、彼らの行動を無理に抑制すれば逆に違反やトラブルの温床となりかねません。

理想の実現と現場での実効性を両立するには、喫煙者・非喫煙者の双方にとって納得感のある「共生型の運営」が必要です。

今回の対応は、全面禁煙という理想を掲げたまま現実との乖離が生まれた末の見直しであり、禁煙施策を継続しつつも「分煙」の意義を再評価する動きといえます。

特に日本の万博は外国人観光客も多数訪れる場であり、国際的な基準に照らしても、一定の喫煙環境の整備は運営上避けられない課題でもあります。

今後は、喫煙所の設置とその運用が、安全・衛生・管理の観点からどれだけ実効性を持ちうるかが問われます。

同時に、他のイベントや公共空間における分煙モデルとして、万博の取り組みが一つの指標となる可能性もあるでしょう。

(文・構成=シェアニュースジャパン編集部)

 

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