
米の価格が過去最高値を更新し続ける中、政府が放出した備蓄米の出荷が進まず、供給の遅れが小売店や消費者に影響を及ぼしています。
注目ポイント
- 米価高騰、備蓄米出荷はまだ24%
- 出荷遅れの裏に「物流と在庫処理」
- 備蓄制度の見直し論、加速か
報道の詳細
関連
反応
■いつ米騒動が起きてもおかしくない。
■売れなくなったら価格は下がるよ 買うな
■それなら今までどうやって年間数百万トンを売り捌いてたんや嘘つくな!
■わるいけど備蓄米販売しているのみたことない
■結局値段下げたくないから出荷量調整してるだけ
■言い訳はいいんでさっさとしろ
深掘
備蓄米制度の限界と物流の壁
備蓄米制度は、米の安定供給を目的として政府が実施している仕組みで、需給のバランスが崩れた際に市場に放出される役割を担っています。
しかしその即応性には課題があり、実際の市場への流通には大きなタイムラグが生じています。
備蓄米が出荷されるには、国からの受け渡し、精米、そして配送といった複数の工程があり、その一つひとつに時間と労力がかかるためです。
さらに、近年深刻化している物流業界の人手不足も流通の遅れに拍車をかけています。
トラックドライバーの高齢化や労働規制の強化によって、米のように重量があり手間のかかる物資の輸送は遅れがちです。
また、備蓄米を受け取る卸売業者が、自らの在庫を先に処理するため出荷時期を遅らせているという市場側の事情も影響しています。
これにより、いくら政府が備蓄米を市場に供給しようとしても、消費者の手元に届くには時間がかかり、即効性が乏しいという現実が明らかになっています。
食料安定政策の再検証が必要な時代へ
コメ価格の上昇が続く中、備蓄米の流通の遅さが顕在化したことで、日本の食料安定政策全体に再検討の必要性が浮かび上がっています。
これまでの制度設計は、在庫調整や市場安定を念頭においたものですが、現在のような急激な需給変動や物流網の制約といった状況には対応しきれていないことが露呈しています。
消費者にとっては「米が高いのにスーパーに在庫がない」という不満が募り、生産者にとっても需給が不安定な中で価格に左右される不安定な収益構造が続いています。
特に中小のスーパーでは備蓄米の入荷が滞っており、地域によっては供給格差も広がりかねません。
こうした問題に対処するためには、備蓄米の出荷フローの迅速化や、在庫分散の見直し、さらには輸送力の強化など多方面からの改善が求められます。
今後は、緊急時にすぐに供給可能な「即応型備蓄」や、消費地近くに備蓄米を置く「地域分散型備蓄」など、新たな仕組みを導入することが、より現実的な政策となるかもしれません。
(文・構成=シェアニュースジャパン編集部)
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