ノルウェーのアスリート育成機関が警告「中国滞在中は肉を食べるな」

ノルウェーのトップアスリート育成機関「オリンピアトッペン」が、中国で開催される国際大会に出場する選手に対し、現地での肉類摂取を禁止薬物混入のリスクから避けるよう勧告したことが明らかになりました。

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クレンブテロール汚染とドーピングリスク――スポーツ界を揺るがす「食の不安」

クレンブテロールは、筋肉増強や脂肪燃焼を促す効果がある一方で、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)によって禁止されている薬物です。

畜産業では成長促進の目的で使われることがありますが、こうした薬剤が残留した肉を摂取することで、アスリートが意図せずドーピング違反に問われる事例が過去にも報告されています。

中国に限らず、食品の安全基準や監視体制には国ごとに大きな差があり、スポーツ選手にとって「食事」はコンディション管理の一環であると同時に、キャリアを左右するリスク要因ともなり得ます。

そのため、最近では多くのナショナルチームや選手が、海外遠征の際に自前の食材やサプリメントを持ち込むケースが増加しています。

こうした傾向は、“身体を作る”という意味だけでなく、“身を守る”ための食事という新しい認識が広まりつつあることを象徴しています。

「グローバルスポーツ時代」の新たな課題としての食と安全

グローバル化が進むスポーツ界において、アスリートの移動と大会の多様化は日常化しています。

しかし、それに伴って直面するのが、国や地域によって異なる食品事情と衛生基準です。

今回のような警告は、特定の国を非難するものではなく、国際的な安全基準の不均衡や監視体制の甘さが、結果的に“無実の違反者”を生みかねないという根本的な問題を浮き彫りにしています。

スポーツの公平性を守るためには、ドーピング検査の精度向上はもちろん、食の安全確保やリスク教育の徹底も不可欠です。

また、選手個人が栄養に関して高いリテラシーを持つことも求められており、単に競技能力だけでなく、セルフマネジメント能力の向上も国際舞台で生き抜くための重要な要素となっています。

スポーツと食、そして信頼の問題は、今後ますます密接な関係を持つことになるでしょう。

(文・構成=シェアニュースジャパン編集部)

 

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