
ギニアビサウの国立公園で、野生チンパンジーが自然発酵した果実を選んで食べる様子が撮影され、人間と霊長類に共通する“酒好き”の進化的ルーツが注目を集めています。
報道の詳細(動画あり)
関連
反応
■0.6%でも酔えるなら自分のビールよりコスパいいかも…って思ったけど真似はできん
■発酵具合を選んでるとか、嗅覚どれだけ優秀なんだチンパンジー!
■酔っぱらってケンカしないで分け合うあたり、人間より大人かも
■野生動物にとってもストレス解消は重要なんだな。ちょっと切ない
■飲酒運転も無縁の“ナチュラルバー”誕生って感じで笑った
■この研究見てると、ヒトの“花見で一杯”文化にも納得がいく気がする
深掘
アルコール選好は進化か文化か──霊長類に見る飲酒行動の起源
今回の発見は、霊長類と人類がアルコールに対して持つ生理的・心理的な親和性の進化的根拠を探る重要な手がかりとなります。
人類は歴史的に果実や穀物を発酵させた酒を作り、祝祭や儀礼に用いてきましたが、チンパンジーもまた、アルコールを含む発酵果実を選び取り、仲間と共有していたという事実は、飲酒行動が「後天的文化」だけでなく「先天的傾向」の延長にある可能性を示しています。
特に、彼らが果実の成熟度を嗅覚で判別し、よりアルコール度の高い果実を選ぶ能力は、単なる偶然ではなく経験則に基づく選択行動と考えられます。
また、飲酒によるエンドルフィン分泌の増加やストレス緩和、群れ内の親和行動の増加は、人類社会における“飲みニケーション”と同じ効果を持つと見られており、「酒が絆を深める」という理論がチンパンジーにも当てはまる可能性があります。
自然界における“酔い”の社会的役割と倫理的視点
チンパンジーが“酔い”を伴う果実を共有し、争うことなく輪になって楽しむ姿は、飲酒に対する新たな見方を提示します。
現代社会では、アルコールは依存症や暴力などネガティブな側面が注目されがちですが、自然界ではその起源において「共感」や「緩和」の役割を果たしていた可能性があります。
さらに興味深いのは、一部のチンパンジーが果実の処理に道具を使用していた点であり、酔いを得るための行動が文化的伝播を伴って進化してきたことも考えられます。
これは単なる「摂食」ではなく、「目的を持った摂取行動」であり、アルコールが社会的接着剤として機能してきたことを示唆しています。
このような研究が進むことで、飲酒の進化的ルーツや人類との比較行動研究が進展し、動物行動学や進化心理学への理解が一層深まることが期待されます。
人間だけが“酒を嗜む”のではなく、そこには太古から続く自然な摂取行動が存在していたのかもしれません。
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