『デイリーNK』が報じたところによると、北朝鮮当局が若者のヘアスタイルを厳しく取り締まり、規定外の髪型を「思想的問題」として扱う統制を強化しています。
取り締まりの背後には、「個人主義」を排除し、集団行動を美徳とする社会主義的価値観を徹底する狙いがあるとされています。
しかし、強硬な取り締まりは若者たちの怒りや反発を招いており、不平等な社会構造への不満も浮き彫りになっています。
規定外ヘアスタイルが「思想犯」の扱いに
北朝鮮では、男性に10種類、女性に18種類の「推奨ヘアスタイル」が定められており、国営の理髪店や美容院ではこれ以外の髪型を受け付けていません。
しかし、民間の美容室では規定外の髪型が密かに提供されており、これを問題視した社会主義愛国青年同盟(青年同盟)は、大学周辺や市街地に糾察隊(取り締まり班)を派遣。長髪、極端に短い髪型、男性のパーマを「道徳的堕落」として摘発対象としました。
摘発された若者たちは、大学や職場での思想闘争会議(公開批判会議)で「道徳観念が遅れている」「個人主義的だ」と非難され、反省を迫られました。
取り締まりに抗議した大学生2人は退学処分を受けるなど、厳しい措置が取られています。
不平等が反発の背景に
『デイリーNK』の情報筋によれば、摘発の対象となったのは一般家庭の若者が中心で、幹部や富裕層の子どもたちはほとんどが取り締まりを免れています。
権力や金銭を持つ家庭の子どもは自由を謳歌できる一方で、一般家庭の若者には厳しい取り締まりが適用されるという構造が、不満を増幅させています。
若者たちの怒りと親世代の失望
こうした取り締まりに対し、若者たちからは強い反発の声が上がっています。
「政治的な発言をしたわけでもないのに、髪型でここまで介入されるのはおかしい」
「国がくだらないことにまで口を出してくるから、息が詰まる」
親世代からも辛辣な批判が寄せられています。
「こんな社会だからこそ、子どもたちが幻滅して脱北したがる」
「もし取り締まりさえなければ、もっと自由な人生を送れるはずだ」
国際社会の視点
このニュースが報じられると、SNSやネット掲示板ではさまざまな意見が飛び交いました。
「髪型すら自由にできないなんて、想像以上に息苦しい社会だ」
「個人主義がここまで否定される社会は異常。若者が怒るのも無理はない」
「不平等が明らかな統制は、逆に社会の崩壊を加速させるだろう」
といった声が上がる一方で、
「厳しい取り締まりが、北朝鮮の社会主義を守る手段だと当局が本気で信じているなら、それは悲劇的だ」
との意見も。
抑圧の象徴としてのヘアスタイル
髪型は個人の表現手段であると同時に、抑圧や自由の象徴でもあります。1968年のチェコスロバキアで、若者たちが「マニチュカ」と呼ばれる長髪を抵抗の象徴としたように、北朝鮮でもヘアスタイルが「体制への挑戦」とみなされていることは注目に値します。
しかし、こうした厳しい統制は、若者の自由を奪うだけでなく、不平等な社会構造を浮き彫りにし、反発や不満を高める結果を招いています。
個人の自由が奪われる現状に対し、若者たちの声がどこまで広がるのか、今後の動向が注目されます。
(文=Share News Japan編集部)
ネット上のコメント
・で、総書記はどの髪型にするん?
・人のこと言える髪型してねぇじゃん🤣
・おもしろすぎないかこれ
・いやいやいやwww
・お…おう
・オマエが言うかよ⁉️
・トップの方の髪型でしょうかw大概そっちもやばいし😅
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